品井沼ひし特産化プロジェクト


※このプロジェクトは”ヒシ”を題材とし、農作物が誰によってどのように生産され、どんな流通経路を経、私たちの食卓に届くのか、そしてその作物をどんなふうに利用れば有効に、よりおいしく摂取することができるのかなどを勉強しながら楽しく農作業をしていき、再びヒシが食産業の一角を担うよう願いを込めて立ち上げました。

平成18年秋 水田で栽培したヒシが収穫できる見込みとなりました!


NPO法人シナイモツゴ郷の会では、平成17年度からヒシの栽培を試験的に始めました。
 
品井沼があった頃は沼一面に菱(ひし)が生えており、ヒシご飯やお茶菓子、米不足時の代用として食されていたことが鹿島台町史(現在は大崎市鹿島台)にも記されています。しかし最近は限られた水域でしか見られなくなっており、食物としての利用はごくわずかになっています。
 
ヒシには体の調子を整える各種の効果があると言われ、漢方薬の原料にもなっており、また、他の植物と比べ水質を浄化する能力が大きいと言われています。
 
そこで郷の会では、他団体・企業と連携したプロジェクトにより、食物としてのヒシの栽培から販売まで、一連の生産体制を開発し特産化することでヒシを利用した町おこしが推進できるのではないかと考えました。つまり“品井沼の名物”ヒシの復元を目指そうということなのです。

ヒシ栽培を始めて2年目の今年(平成18年)、ようやくヒシ栽培技術が軌道にのり、水田で栽培していたヒシが9月頃から収穫できる見込みとなりました。これを受けて、ヒシの生産・販売を目的とした“品井沼ヒシを育てる会”が発足しました。“品井沼ヒシを育てる会”では、“シナイモツゴ郷の会”が開発したヒシ栽培技術を用いて、ヒシの生産と販売を行います。今後は2つの団体が協力しながらプロジェクトを進めていく予定です。

 

ヒシの生産・販売について

“品井沼ヒシを育てる会”では、ヒシの生産・販売を行っております。

インターネットからの販売は鹿島台地域の若手経営者らが立ち上げた

オンラインショップ“互市どっと込む”にて行っております。

  


郷の会では、今後も水田でのヒシの栽培技術の向上に取り組んでいきます。

また、ヒシのおいしい食べ方・調理法も募集しています。

★ヒシ栽培に向く田んぼとは

     ○日当たりが良い

     ○用水が確保できる(4月〜10月中旬まで湛水。ポンプ等も使用する)

     ○ 水深を確保するため畦畔の補強等が可能

    これらの条件がそろっていれば申し分ありません。休耕田でも構いません。

※平成18年度は昨年まで稲作を行っていた一般の田んぼに、隣接の田んぼに水漏れしないようビニールシートを埋め込み、畦塗り機で補強しただけの作業でヒシを栽培できる環境が整いました。

ヒシ栽培に農薬は使用しません

★ ヒシの紹介

     

 日本・中国・朝鮮半島・台湾などの湖沼に生えるヒシ科の一年草。水底に沈んだ種が春に発芽し、夏に菱形の葉を水面に浮かべる。花の後にできる若い種子は食用となる。名前の由来は葉がヒシ形をしているからとか、実の形がひしゃげているからなどの言われがあります。
 日本にはヒシ、オニビシ、ヒメビシなどがあり、九州地方ではヒシの栽培が盛んです。旧品井沼では漁業と共にヒシの収穫が盛んで、現在は菱取り唄が文化として継承されています。
 ヒシの実には滋養強壮・消化促進・整腸・二日酔い軽減・解熱などの作用があると言われており、漢方薬の材料に使われています。一般的には塩ゆでにして食べられますが、白米や雑穀と混ぜて食べるヒシご飯を始め、他の食材と合わせていろいろな食べ方があります。めずらしい利用法としては菱焼酎などがあります。


★各年度ごとのひし栽培の状況

 ○ 平成17年度

 ○ 平成18年度


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