シナイモツゴの再発見
シナイモツゴの雄
仙台平野ではドジョウ,フナ,メダカなどと共に,普通に見られた魚でしたが,戦後,近縁種モツゴの侵入により駆逐されて姿を消してしまいました。宮城県内水面水産試験場が1993年に60年ぶりに旧品井沼に注ぐ広長川上流の桂沢ため池で再発見しました。鹿島台町は速やかに天然記念物として指定し現在も手厚く保護しています。シナイモツゴが生息する品井沼周辺のため池の重要性は全国的に認識され、環境省は2001年12月27日に鹿島台町の3つのため池を「旧品井沼周辺ため池群」として「日本の重要湿地500」に指定しました。
自然保護に興味ある方、自然に親しみたい方、魚が好きな方、「シナイモツゴ郷の会」で豊かな自然を子孫に引き継ぐため、共に行動しませんか。
「郷の会」ではシナイモツゴなど旧品井沼の自然を守るための活動を積極的に展開します。活動内容として保護(池干しによるバス駆除など)と復元(シナイモツゴの増殖など)、バス・バスターズなど環境保全活動への参加、勉強会、見学会、報告会などが中心となります。
シナイモツゴを始めとする旧品井沼の自然を守るためには保護の重要性を地域の方々に理解していただきながら長期的には生息池を増やすなどシナイモツゴが安定して生息できるような環境造りが必要です。同時にシナイモツゴと共存しかつて品井沼に住んでいた魚たち(減少著しいゼニタナゴ,メダカ、ギバチなど)の保護も重要です。これらの魚が住めるようにすることが生態系復元に大きく寄与すると考えます。
干拓前の品井沼で1918年(大正7年)に採集した標本を用いて京都大学の宮地傳三郎博士が1930年(昭和5年)に新種として登録しました。宮城県の地名を冠する唯一の魚です。